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古銭はまさしく古い銭、昔のお金ということです。ただ古銭と言ってもどれが古銭にあたるのかわからない方もいるでしょう。
古銭は古いものでは今から1,000年以上も前からあり、現在にいたるまでかなり多くの種類が発行されています。
その中には1枚で数百万円もする希少価値が高いものもありますし、市場に出回らないもの、どれくらいの価値になるか想像がつかないものまでいろいろあります。
ここでは古銭の意味と古銭の歴史、そして実際の古銭の価値を紹介しています。
そもそも古銭とはどういう意味・定義はある?明確なものはない
古銭という言葉を聞くことは多々ありますが、実際にどのようなものが古銭と呼ぶのか明確に説明できる人は少ないでしょう。
古銭というと、文字通り古いお金という意味ですし、実際に今使えるお金は古銭という呼び方はしません。となると、古銭の意味・定義は今は使えない古いお金ということになります。
実際に辞書によってはそのように定義している場合もありますが、厳密に言えば今でも使用可能なお金でも古銭と呼ばれるものはいくつかあります。
つまり、古銭の意味や定義に明確なものはないのです。言い換えれば今は使えない古いお金は古銭の一部という言い方ができるでしょう。また、現在発行されていないお金以外は古銭と呼んでも間違いではありません。
古銭の歴史はどんなもの?日本最古から近代まで
古銭と一口に言ってもさまざまなものがあり、形はもちろん使われ方もさまざまです。古銭の歴史を見ていくことで時代背景や日本の歴史もわかってきます。ここでは日本最古と呼ばれる古銭から近代の古銭まで古銭の歴史を紹介します。
古代の古銭の歴史について
日本最古の貨幣とされているのが飛鳥時代に作られた富本銭です。ただし発行された明確な時期は分かっておらず、708年に発行された和同開珎よりも古い事だけわかっています。
さらに富本銭よりも前の古銭として無文銀銭もあり、こちらが最古の貨幣との説もあります。
無文銀銭・富本銭は実際に流通したのか、お金として使われたのかもわからないため、日本で初めて流通した貨幣は和同開珎とされています。また、和同開珎から958年に発行された乾元大宝までの12種類の古銭を皇朝十二銭と呼んでいます。
推定667年から672年 | 無文銀銭 |
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推定683年 | 富本銭 |
708年 | 和同開珎 |
760年 | 万年通宝 |
765年 | 神功開宝 |
796年 | 隆平永宝 |
818年 | 富寿神宝 |
835年 | 承和昌宝 |
848年 | 長年大宝 |
859年 | 饒益神宝 |
870年 | 貞観永宝 |
890年 | 寛平大宝 |
907年 | 延喜通宝 |
958年 | 乾元大宝 |
近代の古銭の歴史について
古代の古銭である皇朝十二銭の乾元大宝を最後に600年以上日本で公鋳貨幣は作られませんでした。
ようやく作られたのが江戸時代に入った1608年の慶長通宝もしくは1627年の寛永通宝などの銅銭と言われています。
また通貨としてではなく武士や武将への褒美として天正長大判金や慶長大判などが用いられており、これらも古銭としてプレミア価値がついています。
近代の貨幣制度が整い始めたのは明治時代に入ってからで、造幣局や日本銀行が作られ、それ以降さまざまな硬貨や紙幣が作られています。また記念硬貨もイベントの度に発行されるようになり、さらに古銭の種類は豊富になっています。
希少価値のある古銭をまとめて紹介
ここでは希少価値が高い古銭を紹介します。
和同開珎 | 2万円から350万円 |
---|---|
饒益神宝 | 100万円から1,000万円 |
天正菱大判金 | 4,000万円から1億円 |
天正長大判金 | 1,000万円から3,500万円 |
慶長笹書大判金 | 800万円から3,000万円 |
慶長丁銀 | 10万円から1,100万円 |
元禄大判金 | 1,000万円から3,500万円 |
宝永永字丁銀 | 120万円から700万円 |
旧1円金貨縮小版 | 5万円から700万円 |
旧2円金貨縮小版 | 100万円から900万円 |
旧10円金貨 | 6万円から1,200万円 |
旧20円金貨 | 80万円から1,500万円 |
旧国立銀行券5円札 | 30万円から600万円 |
旧国立銀行券10円札 | 100万円から2,000万円 |
旧国立銀行券20円札 | 400万円から3,000万円 |
竜50銭銀貨 | 100円から800万円 |
新5円金貨 | 5,000万円から600万円 |
甲号兌換銀行券100円札 | 5万円から500万円 |
日本銀行兌換券200円札 | 100万円から600万円 |
日本銀行兌換券50円札 | 100万円から800万円 |
価値のある古銭を手放すなら専門の買取業者がおすすめ
価値がある古銭を売るのであれば、古銭専門の買取業者がおすすめです。その理由としては以下の通りです。
- 古銭の関する知識が豊富
- 販売ルートが確立している
- 買取実績も豊富
- 買取価格が高い
- 安心して取引ができる
古銭といっても種類が豊富にあり、さらに同じ貨幣でも材質や発行年、状態によって買取額は大きく変動するものです。
極端な例で言えば、もっとも有名な穴銭である寛永通宝ですが、状態の悪い銅銭だと数十円にしかなりませんか、良品の金銀銭だと30万円以上の価値があります。
こういった目利きがしっかりできないと、本来なら価値が高い古銭も安く買い叩かれてしまう恐れもあります。古銭はいろいろな業者で買取してくれますが、価値の高い古銭をお持ちの場合は古銭専門の買取業者がベストです。
《番外編》古銭やお金にまつわる豆知識
銭という言葉には古銭の他に小銭入れ、一銭、釣り銭などがあり、お金に関する言葉なのだろうと容易に想像ができます。ただ今の人は銭がどれくらいのお金の事なのかわからないでしょう。ここでは古銭やお金にまつわる豆知識を紹介します。
【豆知識1】銭湯という言葉の銭の意味
銭というとお金に関する言葉ではありますが、銭が付いた言葉には銭湯もあります。銭湯は言わずと知れた公衆浴場の一種であり、今では銭湯の数は少なくなりましたが、最近ではスーパー銭湯という名称で経営しているところもあります。
では、なぜ銭湯には銭という文字が使われているのかというと、お金のお風呂という意味ではなく銭湯に入るために必要なお金が一銭だったからと言われています。つまり一銭でお風呂に入れることから銭湯という事になったのです。
江戸時代の入浴料金は8文だったとされ、これはそば1杯の半分の価値とのことです。今の銭湯の入浴料は500円前後と言われていますので、昔も今も銭湯の料金相場はそれほど変わらないようです。
【豆知識2】釣り銭の釣りの語源・由来
買い物をした時、価格よりも多いお金を出した時にはおつりをもらいます。何気なく使っているおつりという言葉ですが、なぜおつりと言うのかわからない人も多いでしょう。おつりを漢字にすると『お釣り』となりさらに厳密に言えば釣り銭のことです。
釣り銭という文字で『銭』に関してはお金の意味ですからなんとなくわかりますが、なぜ釣りという言葉を用いているのか疑問に思っている人もいるでしょう。
この釣りという言葉は、魚釣りの釣りとはちょっと違って、釣り合うという言葉からきています。
つまり品物の対価に対して支払ったお金が多すぎる時に、釣り合いがとれる分のお金を渡すということになります。それがまさに釣り銭、おつりの語源・由来なのです。
【豆知識3】一銭の意味とは?レートについても
銭はお金にまつわる言葉として『一銭にもならない』とか『一銭を笑う者は一銭に泣く』などと日常の会話でも使うものです。ではそもそもこの一銭とはどのような意味があるのでしょうか。
一銭とはお金の単位の1つであり、レートで言えば1円=100銭ということになります。
為替取引などでは〇円〇銭などと円よりもさらに細かく表記する際にも使われますが、今のお金の最小単位は円ですので、日常生活一銭というお金を目にすることはありません。
ただ一銭の意味は単純にお金の単位としてではなく、ほんの少しのこととして言われることも多いです。
例えば一銭にもならないとは、ストレートに1円の100分の1である一銭以下の対価という意味ではなく、ほとんど価値がないという意味合いで使われます。
まとめ
古銭というとその名の通り古いお金という意味ではありますが、古いお金だから全く価値がないということではありません。
純粋に額面だけみれば、数十円程度もしくは1円よりも低い額面の古銭もありますが、その何十倍、何百倍もの価値がある古銭も多いです。
また古銭は年々数が減っていくことはあっても増えることはないお金ですから、残存数が少なくなればさらに価値が上がります。
ただ古銭はそういった価値だけでなく歴史的背景も関係していますので、古銭の価値だけでなく歴史も学んでみると楽しいでしょう。