江戸時代「古紙幣」の種類一覧と買取相場【まとめ】

江戸時代などに出回っていた現存する古紙幣を欲しがる方は多いです。種類によってはプレミアが付いて買取相場が高騰し、額面より高額で売れるものもあります。個人間での取引だけでなく、古銭買取を事業として行っている買取店も多く存在しているのです。
- 江戸時代の紙幣には何があり、どのような特徴を持っているのか
- 江戸時代の紙幣はいくらで買取されているのか
- 昔の紙幣を高額で売却するにはどうすれば良いか
今回は上記の点について解説しています。昔の紙幣の種類について知識を得たり、高価買取を希望していたりする方はぜひご一読ください。また、将来的に古紙幣や旧紙幣を入手したときに備えて、以下の内容をチェックしておくのも良いでしょう。
江戸時代の紙幣とは?

現在の日本の通貨は円です。日本人であれば誰もがご存知でしょうが、日本全国どこででも通用します。日本で販売、提供されている物やサービスの購入、利用で使用可能です。

しかし諸藩が独自に発行し、大名の領内に限り通用する紙幣は存在しました。また、寺社によって発行されていた紙幣もあったのです。諸藩によって発行された紙幣は、経済的に非常に苦しい状態の救済を目的に作られていたもので、藩札といいます。
この藩札が最初に誕生した時期については、寛文元年にあたる1661年という説があります。この年に越前福井藩によって発行されたものが元祖といわれているのです。大部分の藩で独自の藩札が発行され、数多くの種類が存在しています。
高額買取される藩札
越前福井藩が初期の頃に発行していた、五箇地区で漉いた越前和紙が採用されている紙幣を銀拾匁札(ぎんじゅうもんめさつ)といいます。この紙幣は歴史的資料として非常に貴重です。ただ、古い藩札イコール買取相場が高いわけではありません。以下の要素などが価格に影響します。
- 発行枚数
- 収集家のあいだでの人気
- 紙幣の状態
こうした条件をクリアした希少価値の高い紙幣などであれば、買取相場が高くなっているケースが多いでしょう。
具体的には、状態が良好な江戸時代の紙幣である藩札であれば数千円程度から買い値が付き、希少価値が高いものは数万円の買い値が付くこともあります。
江戸時代の紙幣の価値と買取相場は?
先述したとおり、江戸時代の紙幣に歴史的資料として高い価値があるというだけでは、高額での買取は期待できません。

希少価値が高いものでなければ、高値で売ることは難しいです。また、紙幣がボロボロに傷んでいれば、希少価値があっても高価買取にはなりません。
昔の貴重な紙幣であっても、コレクター人気に乏しいなどする種類では、紙くず同然の価値しかないこともあります。家の片付けをしていたところ、見たこともない紙幣が出てきたなどした場合には、インターネットなどでどういうものか調べてみましょう。
インターネット上の情報だけでもいつ、どこが発行した紙幣であることが把握でき、また買取相場を知ることができる場合があります。自分で調べてもわからない場合には、古い紙幣に精通している買取業者での鑑定を受けてみるのも良いでしょう。
江戸時代の紙幣一覧と相場情報
江戸時代の紙幣一覧と相場情報
藩札 越前福井藩
![]() |
時代 | 江戸時代/1661年 |
---|---|---|
価値 | ||
相場 | 数千円~数万円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | 福井藩札と江戸時代の貨幣 |
先述したことをおさらいしておきましょう。江戸時代、諸藩が財政難救済を主な狙いとして発行していた紙幣である藩札は、越前福井藩がほかの藩より早く発行を始めたと言われています。歴史的資料として大変、貴重なものです。
しかし、コレクションとしての価値が別の種類の藩札より圧倒的にあるのかといえば、決してそのようなことはありません。状態が良好な越前福井藩が発行していた藩札であっても、数千円から数万円の買取価格になれば良いほうといえるでしょう。
なお、この金額は別の種類の藩札と比較して高いのか、安いのかという点が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。藩札は日本の約80%の藩が発行していたといいます。中にはコレクション的に無価値のものもあります。
越前福井藩の藩札は、そうでないものと同じぐらいの買取価格になるでしょう。
太政官札
![]() |
時代 | 明治時代/1872年 |
---|---|---|
価値 | C | |
相場 | 10,000円~49,999円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | wiki「太政官札」 |
古紙幣の種類のひとつとして、太政官札(だじょうかんさつ)があります。まずはこの紙幣の基本情報を押さえておきましょう。以下の内容は、太政官札の買取価格に影響しているものもあるため、チェックしておくことをおすすめします。
- 慶応4年にあたる1868年に発行開始
- 発行元は明治政府
- 日本全土で通用する紙幣としては日本発
- 10両、5両、1両、1分、1朱の5種類がある
- 金などに引き換えることのできない不換紙幣
- 発行当時は偽札が多数出回っていた
太政官札が通貨としての役割を果たしていた期間は短いです。明治5年にあたる1872年には、新通貨として紙幣の明治通宝(めいじつうほう)が採用されました。と同時に太政官札と交換された結果、いまでも残っている太政官札の枚数はさほど多くはありません。
現存数に乏しいために希少価値が高く、高価買取が実現しやすいのではないかと思う方も多いでしょう。

太政官札の基本情報でも述べましたが、紙幣の偽造がはびこっていました。古紙幣を鑑定し偽物であることがわかれば、買取価格は低くなってしまうのです。なお、本物で状態良好、10両など額面が高いものであれば数万円の買い値が付くこともあるでしょう。
旧紙幣や古紙幣を高く売るコツと注意点
昔の紙幣を高値で売却するには、そのためのポイントをしっかりと押さえておいたほうが良いでしょう。旧紙幣や古紙幣を譲り受けたり、旧家で見つけたりした場合、高価買取を実現させるために下記の内容をチェックし、実践することをおすすめします。
- 破れないようにするほか、折り目を付けず、シミなどの汚れも避ける
- 貰ったり発見したりした手持ちの紙幣の種類を把握する
- 売却したい紙幣の買取相場を調べる
保存状態が良くないと買取価格は安くなってしまうため、くれぐれも気をつけなくてはいけません。また、売却を希望する紙幣の買取相場を把握していないのもまずいです。買い叩かれようとしているのにその事実に気づけないため、必ずリサーチしておきましょう。
古紙幣は買取専門店で査定がおすすめ
先述した高価買取のポイントをチェックしたものの、買取相場がインターネット上で公開されていなかったり探せなかったりする場合があるでしょう。
また、買取相場の把握以前に、手持ちの昔の紙幣と思われるものの種類を自分で特定できない方もいるはずです。
その場合には、専門家が在籍している買取専門店で査定を受けましょう。確かな目を持つ専門家であれば紙幣の種類や真贋を見分け、適正な価値を示してくれます。

近くに買取専門店がなくても利用できる
近くに昔の紙幣の買取を行っている専門店がない方もいるでしょうが、安心してください。

査定を受けたからといって、必ず売却しなければいけないわけではありません。
ただ、査定自体は無料でも、キャンセルした場合も含めて別の名目での費用が発生しないか確認しましょう。たとえば出張買取であれば出張費用、宅配買取の場合は往復送料の有無などです。
まとめ
数多くの種類が存在する古紙幣の中でも、越前福井藩発行の藩札や明治政府発行の太政官札は価値があり、多くの古銭買取店での買取対象になっています。
良くて数万円で売れることもあるため、所有している方は売却を検討してみてはいかがでしょうか。そして高価買取を実現するには、複数の買取専門店の無料査定を受けて買取相場を把握すると共に、より高い買取価格を提示してくれるところに売りましょう。
持ち込める買取専門店が生活圏内になくても、ネットで申し込める出張査定や宅配査定があります。なお、買取専門店を選定する際には専門家がいることや余計な費用が発生しないだけでなく、実績をチェックしましょう。
買取専門店のWebサイトなどで高価買取実績が豊富とわかれば期待が持てます。また、実際の利用者からの評判が良いのも、優良な業者であることの判断材料になります。